「オレはできる」と勘違いしたまま働いていないか?

ここからは、皆さんが今の環境から、もっともいい形で、外の世界に踏み出すためのマップを示していきたいと思います。

皆さんの中には、様々なステージの人がいると思います。ダメ出しされないから「俺はできる」と勘違いしたまま働いている人。今の会社で十分な経験とスキルを身に付けているのに、適切な「フィードバック」を得られないがために、その価値に気づいていない人。社外での活動をしたいと思っているものの、何から始めればいいのか分からない人。そもそもフリーランスなんて、一生無縁だと感じている人……。いずれの段階でも、ここからの話にはどうぞ耳を傾けてほしいのです。

今、社会はどのような変化の渦中にいるのか、これからの社会で生き残れる個人とは、どういうスキルとマインドを持つ人なのか。どうかそうした情報をもとに、ご自分のキャリアと照らし合わせて考えてみてください。

互いに仕事ぶりを評価しあう環境

私は若い頃から、自分がした仕事に対して、周囲から「フィードバック」をもらうのが好きでした。

最初に勤めたアクセンチュアという会社がまた、そうした文化を持つ会社でした。プロジェクトが終わったタイミングで、一緒に業務を行ってきたプロジェクト・メンバーたちに時間を取ってもらい、自分の仕事ぶりがどうだったか評価してもらうのです。

オフィスで若いビジネスパーソン。
写真=iStock.com/metamorworks
※写真はイメージです

褒められること以上に、ダメ出しされることも多かったのですが、聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥です。言われた時は「なにくそ!」と内心思っても、後から冷静に考えれば、指摘は大抵当たっていたものです。

ただ、他の会社の話を聞くと、そういう環境ばかりではないようです。特に最近は上司が部下に、あまり強くものを言えないという事情も耳にします。「あまり強く言うと、新人が辞めてしまう」「すぐにパワハラだと訴えられる」と。たしかに相手に過度な心理的ストレスを与えてしまうのはNGですが、シンプルに「あなたの今の仕事のやり方はダメですよ」と指摘できないのも、どうなのでしょうね。上司は不満を持ちつつ心にためていくことになるし、なにより本人の成長につながらない気もします。