購入・保有・売却時の手数料を大切に

④低コスト

投資商品を購入する際は、「コスト」に注意しましょう。

たとえば、投資信託には、購入時・保有中・売却時にそれぞれ、手数料がかかります。このうち、保有中にかかる信託報酬は要注意。長く持てば持つほどかかることになります。

そのため、ほんの少しの差でも数万〜数十万円の違いになる可能性があります。なるべく低コストの商品を選ぶようにしましょう。

1ドル=150円を付けたときにバカ売れした投資商品

2022年10月20日に東京外国為替市場で円相場が下落し、一時1ドル=150円台の円安水準となって大きなニュースになったことは記憶に新しいところです。本稿執筆時点でも1ドル=132円台を付けており、超円安水準が続いています。

とりわけ1ドル=150円を付けた当時は、さらなる円安の進行もささやかれる中で、外貨預金(ドル)や外貨建保険(ドル)が飛ぶように売れていたようです。外貨預金や外貨建保険が人気だった理由は、①購入時点よりも円安になったときに為替差益が得られるから、②円金利と比べてドル金利が高いから、です。

コストの文字にハサミが入っているイラスト
写真=iStock.com/MicroStockHub
※写真はイメージです

将来相場がどうなるかはプロでもわかりませんが、現状の1ドル=132円という水準で考えると、結果的に①の目線で買っていたのは現時点では失敗です。②については、外貨預金の金利や外貨建保険の予定利率は確かに円金利より高いのですが、コスト面を考えると、そもそも投資先として適切ではありません。

運用成績以上に「手数料」に敏感になろう

円安に振れるタイミングで、①と②を理由に投資するならば、適切なのは「米国債」です。米国債を選んでおいたほうが低コストで、圧倒的に有利だからです。

外貨預金では、円を外貨に換えるときと外貨を円に換えるときの両方で高額な手数料が発生します。元本の1000万円までが保証される「ペイオフ」の対象外です。外貨建て保険は販売手数料の高い商品です。金融機関や保険募集人が熱心に勧める理由は、手数料が高いからです。

運用成績の良し悪しにかかわらず、必ず支払う「手数料」には敏感にならなくてはなりません。