司会者・タモリはどこがすごいのか。社会学者の太田省一さんは「その根底にはパロディ精神がある。モノマネでも、著名人の声色を真似るだけでなく、その人の言いそうなことまで模写してしまう。だからマニアックな趣味やきわどい社会風刺でも、誰もが笑える内容になる」という――。
深夜放送の概念を根底から変えた「オールナイトニッポン」
先日、ニッポン放送の深夜放送「オールナイトニッポン」55周年を記念して、ゆかりのパーソナリティ出演による55時間の特番が放送された。その豪華な顔ぶれのひとりとして登場したのが、タモリである。担当したのは1976年から1983年にかけての7年ほど。そこでこの機会に、現在のタモリの原点とも言えるこの番組を振り返ってみたい。
オープニング曲「ビタースウィート・サンバ」もお馴染みの「オールナイトニッポン」は、1967年10月にスタート。それまで深夜ラジオと言えば、長距離トラックの運転手や看護師など夜通し働いているような、限られた人たち向けのものと思われていた。その常識を覆し、若者向けの音楽番組として生まれたのが「オールナイトニッポン」だった。ビートルズの日本公演が前年にあり、その影響でグループサウンズブームが巻き起こっていた頃である。
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