ルールを見破る力=類推力がある

基礎力④類推する力がある(算数)

類推する力とは、たとえば、1カ月ごとに2万円貯金していくと1年後に24万円になるだろうという法則性を推論する力です。言い換えると「ルールを見破る力」です。

ルールとは公式のこと。ここでは「nカ月目の貯金は、2×n」という公式が見つかります。これがルールを見破る力=類推力です。

類推する力があれば、あらゆることを1から10まで記憶することなく、知識を臨機応変に活用できるようになります。

これら4つの力について、何をもって身についているかとするのは、自分が問題を解けるかだけでなく、人に教えられるレベルに到達しているかで判断してください。

兄弟や姉妹のいるご家族なら、その子が下の子に説明できているか、一人っ子の子なら親に説明できるかどうかといった場面で、理解度を測れるでしょう。

東大合格には最低7000時間の勉強が必要

「小6レベル」という話をお聞きになり、「いくらなんでもレベルが低いのでは?」と、少々意外だったかもしれません。しかし、基礎能力さえあれば、東大を目指せるスタートラインに立てます。東大に合格するには、遺伝的な頭の良さだけが絶対ではないということです。

ここで2つの数値をお伝えします。

ひとつは、東大合格を目指す上で、高校時代にどれだけ総量として勉強に時間を費やしたらよいかという数値です。

東大野球部員らにアンケートを取ったところ、それは「7000~1万時間」でした。

セミナーに出席する医療従事者の手
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※写真はイメージです

「1年365×24時間×3年間」として、2万6280時間。このうち少なくとも7000時間を、勉強時間に振り分けて努力する必要があるというのが、経験則となります。つまり生活のうち、約3割を勉強に費やすことが最低限必要です。現役時代にこの時間を確保できない場合は、浪人も視野に入るというわけです。質もさることながら、「量」も必要ということです。

さらに単純計算をしてみると、「1年365日×3年で、1095日」。この日数で7000時間を目指すなら、1日当たり約7時間の勉強時間が必要となります。登校日数を約200日とすると、「約200日×7時間×3年で、約4200時間」となるので、家庭かどこかで、約3000時間を自学して埋める計算です。

学校の授業時間も含めるとはいえ、宿題も合わせて日に7時間も机ないし教科書に向かうのは、大人からみても、かなりの体力を要するのが想像つくはずです。さらにそれが受験前となると12時間も勉強することもあります。だからこそ、体力が土台になるのです。