※本稿は、五百田達成『感じのいい人、悪い人 人間関係がうまくいく「話す技術」』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。
「感じがいい」とはどういうことか
誰しも「感じが悪い」よりも、「感じがいい」と思われたいですよね。でも、「感じがいい」と思われるにはどうすればいいのでしょうか。
なんだか漠然としていて、つかみどころがないようにも思える「感じがいい」ですが、決め手になるのは「この人は私の話を聞いてくれる」という印象です。
いまや、みんなが自分の話を聞いてほしくてうずうずしています。リアルはもちろん、SNSのやりとりでも、無視されるのがいちばんつらい。リアクションを求めて、日々情報発信に努めている人が大勢います。「一億総承認欲求時代」と言ってもいいかもしれません。
そんな中、自分の話を聞いてくれる人がいたら、どうでしょう。話を聞いてもらった側は、「この人は自分の話を聞いてくれるんだ!」とうれしくなるはずです。
感じのいい人だと思われるためには、「相手の話を聞くこと」が最初の一歩なのです。
無意識の“話題泥棒”が評価を下げる
「感じのいい人とは、相手の話を聞く人」。
そう言われると、「そんなの当たり前のことじゃないか」「もちろんちゃんと聞いているよ」と思うかもしれません。
ですが、例えば誰かと話をしているとき、相手の話はそっちのけで、次に自分が何を話すかを考えてしまったことはありませんか。
「この話が終わったら、この意見だけは伝えておこう」「いいアイデアを思いついてしまった!」「この話はいつまで続くんだろう。なんとか適当に切り上げたい」などと考えていると、相手の話はほぼ耳に入ってきません。
あるいは、相手の話をきっかけに自分の話を始めてしまう人もいます。
「先週、バーベキューに行ったんだ」
友人にこう言われて、つい自分のバーベキュー経験について話してしまったことはないでしょうか。
「バーベキューいいね! そういえば、ここ3年ぐらい行ってないな。昔は家族でよく行ったんだけどね」
「バーベキューって楽しいけど、準備が大変だよね。なんだかんだで店に行くほうがラクじゃない? 天気の心配もいらないし」
「そういえば、最近ネットで見つけたビアガーデンがすごく良さそうで……」
話題を出した本人はそっちのけで、周囲が好き勝手に反応し、それぞれが自分の話を始めてしまうというシチュエーションは珍しくありません。
この“話題泥棒”はやっている側はなかなか自覚できないうえ、確実に好感度が下がる危ういふるまいです。