分かりやすく話すためには、どんなことを意識したらいいのか。音声プラットフォーム「Voicy(ボイシー)」を運営する緒方憲太郎さんは「ダラダラ続く長い話や緩急のない話し方では、聞き手が途中で飽きてしまう。文章を短く区切り、スピードの緩急をつけリズム良く話すと、聞き手を飽きさせない」という――。(第3回/全3回)

※本稿は、緒方憲太郎『新時代の話す力 君の声を自分らしく生きる武器にする』(ダイヤモンド社)の一部を再編集したものです。

トークを録音している現場
写真=iStock.com/CinematicFilm
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訓練次第で声は良くなる

「イケボ」(「イケメンボイス」の略。イケメンを連想するような魅力あふれる声の持ち主のこと)と言われる男性がいたり、通る声を持っている人がいたりします。「声が素敵でうらやましいな」と思う人もいるかもしれません。しかし、あなたの声も訓練次第で良くなります。

声とは、あなたの体の中で空気が振動した結果生まれます。人間の体は声を出すための楽器です。それにもかかわらず、話すときに声を生み出す体について意識している人はあまりいません。

近年では、オンライン会議システム「Zoom」などを活用したミーティングが増えました。パソコンに向かってうつむきがちに話すと、姿勢の関係でどうしても声の通りが悪くなります。

オンライン会議は直接会うわけではないからと、気を抜いて話す人もいます。しかし、聞き手に与える情報の中でも「声」の比率は、実際に会って話す場合よりもオンラインの方が高まっています。

パソコンを見ながら片手間で話したり、暗い声やつまらなさそうな声のまま話したりすると、聞き手もストレスを感じるはずです。

「自分の体は声を発する楽器である」という意識で、背筋を伸ばし、しっかりと息を吸ってから声を出すこと。意識的に口角を上げ、普段よりも一つ高いトーンの声を出すよう意識すれば、あなたの話にはメリハリが生まれて、聞き取りやすい声で相手にメッセージを届けることができるようになります。

この辺はボイストレーニングスクールなどで一度学んでみるのもいいと思います。

最初は慣れないかもしれませんが、試しに一度、スッと背筋を伸ばして、口角を上げて、話し始めてみませんか。