最初の「5秒」やるだけで、すべてが変わる
簡単に脳のやる気モードをオンにしてくれる“スイッチ”なんてないのです。やる気は“スイッチ”ではなく“エンジン”。そう考えてください。
自動車のエンジンも最初は電気で無理矢理動かして始動させます。
昔の飛行機は、人力でプロペラをぐるぐる回して始動させていました。人間も同じ。
スイッチを入れるようにパッと始動するのではなく、無理矢理体を動かして、ようやくやる気が発動します。
こまだって、回さないと回りません。しかし、一度回れば、遠心力によって回り続けます。大事なのは、まず動き出すことです。
私は「最初の5秒、動くだけでいい」と言っています。
ソファーで寝っ転がっていたら、「よし!」と奮い立たせて「5秒」だけ行動してみる。
この動き出しが、やる気エンジンを始動させるポイントです。
しかし、たった「5秒」ですら体が言うことを聞かない、面倒くさいという人もいるはずです。やる気というのは、私たちが考えている以上に、とても厄介なのです。
この「5秒」を我慢して、やることに向き合い、行動を起こすと、脳のやる気のエンジンが動き出します。
勉強や仕事をしなければならないなら、机に座って参考書やパソコンを開く。掃除をしなければいけないなら、掃除機を持ち出し電源をONにする。
この行動をするために、なんとか「5秒」だけがんばりましょう。
「自分は本能に打ち勝つ!」と思えるか
「やりたくない」という本能的な感情の脳(大脳辺縁系)の活動を抑えこんでくれる理性の脳(前頭葉)が働き出すまで5、6秒かかるといわれています。
「がんばりましょう」と精神論で訴えるのは気が引けるのですが、人間の本能に打ち勝つための「5秒」――。
そう考えると、何かとてつもなくすごいことだと感じますので、「この5秒で、自分は本能に打ち勝つ!」と考えるといいかもしれません。
想像してほしいのが、部屋の片づけやお風呂掃除です。とりあえず始めてみると、あれよあれよと「こんなに掃除するつもりなかったのに!」と感じてしまうくらいはかどったりしませんか?
脳には一度その行動を始めると、のめり込んでしまうという性質があります。この正体こそ「淡蒼球」という脳の部位です。
「淡蒼球」を刺激するには、体を動かして行動することが重要です。
そう、自らプロペラを回すしかないのです。