新制度の3つのポイント
(1)制度の恒久化でいつからでも、いつまでも投資できる
今までの口座開設期間は一般NISAが2023年まで、つみたてNISAは2042年まででした。新しいNISAではこれが無期限になります。つまりいつからでも、そしていつまでも投資を続けることができるということです。さらに非課税で運用できる期間は従来、一般NISAが5年、つみたてNISAは20年でしたが、新しい制度ではこれも無期限となります。つまり永久に非課税で運用ができるということになるのです。これは画期的なことですね。
そして二つのNISAは一つの口座で一体化されますが、その中で「成長投資枠」と「つみたて投資枠」という2種類ができます。わかりやすく言えば「従来の一般NISA」≒成長投資枠であり、「従来のつみたてNISA」≒つみたて投資枠と考えれば良いでしょう。従来同様、成長投資枠では投資信託に限らず株式への投資もできますが、つみたて投資枠では従来のつみたてNISAと同じ投資信託が対象ということになるようです。
(2)投資枠が大幅に拡大
従来は一般NISAが120万円、つみたてNISAは40万円というのが一年間の投資限度額でした。したがって一般NISAの場合は120万円×5年=600万円、つみたてNISAは40万円×20年=800万円が投資できる上限だったわけです。しかも一般とつみたての両方はできず、どちらかを選ばなければなりませんでした。ところが新しいNISAでは年間投資限度額が成長投資枠で240万円と倍増、つみたて投資枠では120万円ですから3倍増となり、しかも両方とも利用することができるため、年間投資可能額は一挙に360万円と大きく広がります。ただし、期限は無期限と言っても「生涯投資枠」を設定するため新しいNISA制度を使って投資できる上限の金額は1800万円となります。うち、成長投資枠は1200万円までです。
(3)これまでNISAやつみたてNISAを利用してきた人は…
では今までNISAやつみたてNISAをやっていた人はどうなるのかというと、投資できるのは2023年、つまり来年で終わりますが、非課税期間は新しい制度の枠外となるため、当初のまま続くことになります。
例えばこれまでつみたてNISAをもし上限の40万円で5年間やっていた人は、既に積み立てた200万円分は、新しいNISAとは別に当初の非課税期間である20年間はそのまま非課税での運用が続けられるということになるわけです。これは今までやっていた人には良いお知らせですね。
ただしこれまで投資してきた分を新しいNISAに移すこと(ロールオーバー)はできませんので、非課税期間が終わったこれまでの分は課税口座に移すか、売却することになります。
細かい部分はまだいろいろとありますが、大枠はこんなところです。