オミクロン株対応ワクチンは「追加用」
では、1・2回目のワクチンを接種していないとオミクロン株対応2価ワクチンが打てないとは、どういうことだろうか。これはリーフレットに説明が書いてあった。
《オミクロン株対応2価ワクチンは、追加接種として臨床試験を実施し、有効性・安全性が確認されているため、従来型ワクチンによる1・2回目接種を完了している方が対象です》
つまり1・2回接種をした人を前提に、開発されたワクチンなのだ。
とすると、冒頭の主婦のように健康面に不安が残る人は、たとえば年内に1回目を打って体調面の経過を観察しつつ、2回目を年明けに打てばいいのかだろうか。しかし、もしオミクロン株対応ワクチンを打ちたければ、やはり年内に1・2回目接種を完了させておく必要がある。
「なぜなら、ワクチンの接種間隔の問題があるからです」
と指摘するのは、この「年内終了」問題をYahoo!個人ニュースで早くから指摘していた、呼吸器内科医の倉原優医師だ。
3回目接種は3月末まで
ワクチンの接種間隔とは、接種と接種の間に時間を置くことである。1回目と2回目の間は、ワクチンの種類によって違うが、18日間~27日間と定められている。そして2回目とオミクロン株対応ワクチンまでの接種間隔は3カ月と定められている。
では1月に2回目を終了して、4月にオミクロン株対応ワクチンを打てばいいのだろうか。実は現時点ではそれもできない。
現在の新型コロナウイルス対策ワクチンは、「特例臨時接種」という政策的枠組みの下に運用されている。その制度が年度末(2023年3月末)で終了予定だからである(2022年11月28日現在)。
「3月末までにオミクロン株対応ワクチンを打つためには、やはり年内に1・2回目接種を完了しておく必要があります。でも性急な感はやはりありますよね。国には『特例臨時接種』の実施期間の延長か、なんらかの救済策の発表を年内に期待したいところです」(倉原医師)