デザインの仕事から徐々に地図関係の仕事が増え始める
――IT企業を辞めた後は、どのようなお仕事をされていたんですか?
【今和泉】2011年から2013年くらいまでは主に派遣やアルバイトの仕事をしながら生活していました。好きなことで食っていこうと思っていたわけではないので、勤め仕事と自営業を並行させていって、少しずつ自営業の収入が増えていったかたちです。当初の割合としては派遣が8、自営業が2くらいでした。
自営業で請けている仕事も、名刺やチラシのデザインをするDTP系の仕事が多くて、当時はまだ地図や空想地図に起因する収入はほとんどありませんでした。
――今和泉さんはこれまでに本を4冊書かれていますよね。最初の本の出版はいつ決まったんですか?
【今和泉】会社を退職した2011年のうちにお声掛けいただきました。空想地図の本なんて書いて誰が読むんだ? と思いながら引き受けたのを覚えています。
出版社内で決裁が下りるまでに時間がかかったので、書き始めたのは2012年。時系列で言うと、本を書いている途中の2013年5月に「タモリ倶楽部」に出演して、その後の2013年11月に本が刊行されました。2013年12月には「大竹まことゴールデンラジオ!」、2014年3月には「アウト×デラックス」にも出演しました。
イベント出演がきっかけで、出版とテレビ出演が決まる
――さまざまなメディアにも登場されていますが、なにがきっかけだったのでしょうか?
【今和泉】最初は、2011年8月に、当時お台場にあった「東京カルチャーカルチャー」で行われた「マッピングナイト」という地図系のイベントに参加したことがきっかけでした。
当時、大学院生だった友人が、登壇者の一人だった渡邉英徳先生と面識があって、イベントに誘ってくれました。
そしたら、同じく登壇者の写真家の大山顕さんと、後に慶應義塾大学教授となる石川初さんもおもしろがってくれて、私の空想地図についてツイートしてくれたんです。そのときのツイートがきっかけで、本の出版の打診が来ましたが、「タモリ倶楽部」のディレクターさんも、ツイートのまとめ記事を見てくれたんじゃないかなと思います。