高知県民は静岡県民の2倍入院している
図表3をご覧ください。横軸が人口10万人あたりの病床数、縦軸が1人あたりの入院医療費です。
入院医療費とは、入院した人に対して発生した医療費のことです。
それを、入院している人もしていない人も含め、その都道府県の全人口で割った額が「1人あたりの入院医療費」です。
こちらも高齢化率等を調整した後の数字になっています(高齢者が多い地方のほうが都市部より医療費が高くなるのは仕方がありませんが、そういう影響を調整した後の数字だということです)。
平均寿命全国トップクラスの長野県は病床が少ない
私はこのデータを見たとき、愕然としました。医師を続ける気が失せるほどの衝撃を受けたのです。
高知県民は1年間に34万円を使っているのに対して、最も低い静岡県は19万円しか使っていません。
医療費が2倍近いということは、つまり高知県民は静岡県民より2倍近く入院しているということです。
入院回数が2倍なのか、入院日数が2倍なのかはわかりませんが、現実として高知県民は入院費に静岡県民の2倍のお金を使っているのです。
さらに、高知県は人口10万人あたり2522の病床を持っているのに対して、神奈川県は810床。つまり高知県は神奈川県の3倍、病床を持っています。
まず、それ自体がそもそもおかしなことです。高知県民が神奈川県民の3倍多く病気になっている、あるいは病気になりやすいわけではないからです。
事実、平均寿命が全国トップクラスの長野県は、病床はむしろ少ないほうです。