今の自分と違う人生を子供に託すことも可能
一方、今の自分と違った人生、その人生を子供に託すことができるとすれば、それは未来を実感すると同時に共有することにもなります。
もちろん、子供たちの人生がどのようなものになるかはわかりません。しかし、少なくとも子供がお金の心配をしない時間を過ごせるということは、自分とは異なった人生を歩んでもらえるということです。そのことをちゃんと子供たちにも伝えておくべきでしょう。
このように考えると、FIREが対象とする人生というスパンは、5年、10年というものではなく、30年、50年、孫や孫の子までなら100年という単位です。
過去に希望は見出し得ませんが、まだ見ぬ未来へは希望を見出すことができます。
子や孫に限定する必要はありません。あなたが大切と思うすべての人が対象となります。そして、できるならFIREに関することを大切な人たちに伝えていただきたいです。FIREは隠してするようなことではないからです。
RE(早期引退)の例外が「天職」
私は、自分の好きなこと、自分の心と体に合う仕事で、お金を得られる仕事を「天職」と考えています。ほんの少し心身のしんどさがあっても好きだからできる仕事です。天職についている限りは、RE(早期引退)はありません。死ぬまで仕事をしていればいいだけです。
そこで思い浮かぶのが、平均寿命が30歳ほどといわれる江戸時代に88歳まで第一線で画業活動を続けた葛飾北斎です。彼は生涯現役で最先端を走っていました。
そうはいっても、天職を見つけ出せない、つくり上げられないのがほとんどの人でしょう。まずは、全身全霊をかけてFIREに取り組み、その過程の中で天職を得ることができればいいのです。実は、私は現在、天職につけているのかなと感じています。しかし、現在の自分に至るまでには、FIREは不可欠でした。