本当の自分を手に入れる

そんなふうにはとてもできないな、と、思った方。

あなたが、ネガティブ女子から離れられないのだとしたら、もしかすると、「いい人」でいなければいけない、という呪縛があるのでは? 人の悩みは、優しく聞いてあげなければならないと思い込んでいるのでは?

拙著『女女問題のトリセツ』(SB新書)では、何度か「いい人」をやめようという話をしている。誰かの評価軸を生きていると(ましてや、「世間」などいう実体のないものの評価軸を生きていたら)、自分を見失って、自己肯定感の低さに苦しむことになる。「いい人を生きる」のではなく、「何かに夢中になって生きる」ことこそが、本当の人生を生きる鍵である、と。

自分が「いい子」だから、母親が愛してくれた。そう思い込むと、人は「いい人」をやめられなくなる。だから「いい子だから《自分の言う通りにしたから》褒める、悪い子だから《自分の思い通りにしないから》叱る」という子育てが、私は大嫌いなのだ。

けれど、そうやって育てられた人は、本当に多い。

もしも、あなたが、ネガティブ女子から離れられないのだとしたら、心の中で母親を捨てるといい。実際に縁を切って断絶するという意味じゃない。「母親の表情やことばに影響を受けない」と決めるのだ。

――母親は、私を支配しようとして、一部間違った子育てをした。私はもう、母親の「がっかり」を恐れない。母親の「反対」を気にしない。全部、受け流して、自分の中に残さない。

この文章を、声に出して読んでもいい。あなたは、あなたの人生を歩き始めよう。

夏の日本人女性
写真=iStock.com/kokoroyuki
※写真はイメージです

友だちは選んでいい

あなたが「いい人」だから、「自分の愚痴を、ゴミ箱みたいに全部受け入れてくれるから」友だちでいる、なんて言う友だちは要らない。

あなたならではのものの見方や、あなたならではのことばに惹かれて、一緒にいたいと思ってくれる、本当の友を探さなければ。

黒川伊保子『女女問題のトリセツ』(SB新書)
黒川伊保子『女女問題のトリセツ』(SB新書)

そのためには、やっぱり、好きでたまらないものを見つけて、まっすぐにそれを愛してみよう。今はSNSで、自分ならではのものの見方を発信できる時代だ。きっと、あなたのことばや、あなたの目線(写真)に反応してくれる人が現れる。

それにね、人は「ひとり」にならないと、「自分だけのことば」は降りてこない。物理的にひとりになるだけじゃだめだ。SNSから離れ、人の思惑から離れる時間がないと、脳が世界観をつくれないのである。

人の思惑を探る瞬間、脳では、横方向の神経信号が流れる。世界観をつくるには、縦方向の信号を使う必要があり、そのためには、ひとりでぼんやりしたり、何かに没頭したりする時間が不可欠なのだ。

人の思惑に巻き込まれて、寝るまでモヤモヤしたり、イライラしたりしているなんて、人生の無駄遣い。思い切って、ひとりにならないと。

ひとりになるのが怖くて、「いい人」をやめられない。けど、思い切ってひとりにならないと、本当の友は得られない。

それは、水泳のビート板に似ている。泳ぎを習ったとき、ビート板を手放すのは怖かったけど、手放したら、自在に泳げるようになったはず。ビート板のように、「いい人でいようとする気持ち」を手放そう。

誰かの愚痴のゴミ箱になることだけは、もうきっぱりやめてね。私が応援してる。

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