何があっても押しつけや決めつけはNG

明るい未来が見える言葉をかけるという話をしましたが、それが一方的な押しつけや決めつけになってしまっては、逆効果です。

相談者Fさんは妻から、ある日突然「離婚したい」と切り出されました。Fさんにとっては思いもよらぬ言葉で、まさに「青天の霹靂へきれき」だったようです。

「離婚なんて考えたこともない。家族のために懸命に働いてきたのに……」と訴えるFさんに「奥さんが明るい未来を描けるような言葉がけをしてみましょう」と提案し、「わかりました!」とやる気になったところまではよかったのですが、やり方を間違えてしまったようでした。

Fさんは「駅前の高層マンションの最上階に引っ越そう」「ハワイで一緒にゴルフをしよう」「有名なステーキ屋があるんだ、行ってみよう」などと妻に矢継ぎ早に伝えたというのです。これに対して妻から「全部あなたの夢でしょう? そういう自己中なところが耐えられないの。私には私の夢がある」と言い返されてしまったのだとか。

湾岸地域に乱立するタワーマンション
写真=iStock.com/kurosuke
※写真はイメージです

「やっちゃいましたねぇ」というのが、私の率直な感想です。敗因は、自分はいいことを提案していると妄信していることから押しつけがましいこと、「彼女も望んでいるはずだ」と決めつけていることの二点です。

そもそも妻はハートの話をしているのに、金にモノをいわせるという時点でお門違いもいいところ。妻は、「夫は何もわかっていない」といらだちを覚えたのに違いありません。

本来なら「悪かった。これからは君を大切にする。僕のどこが悪いかいってくれ、直すように努めるから」と切り出すべきでした。そのうえで「家族の幸せのためなら何でもする覚悟だ。何か要望があればいってほしい」と伝え、妻の夢を引き出すようにすればよかったのです。

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実はこれ、夫が犯してしまいがちな失敗の一つ。幸いにしてFさんは「そうだったのか!」と気づき、すぐに軌道修正したことで事なきを得ました。けれど「何がいけなかったのでしょうか?」と首をひねる人が多いのです。そこで私は、妻に伝える前に、女のきょうだいや女友達に感想を尋ねてみることをおすすめしています。

ただし、付け焼刃では修復できたとしてもまた同じ失敗をくり返さないともかぎりません。どういう視点に立って妻と接すればいいのかを学ぶ機会だととらえ、しっかりと学習していただきたいと思います。

多くの場合、妻は減点法で夫を見ています。結婚をスタートさせた時点での夫が百点満点だったとして、夫は私の話を聞いていない十点マイナス、出産に立ち会わなかった二十点マイナス、記念日を忘れている、束縛が激しい、自分勝手だと何かあるごとに減点していくのです。減点がかさむと、そのぶん夫のよいところが目にとまらないようになるため、点数が加算されることはなくなります。

Fさんの妻は点数がゼロになったか、あるいはマイナスになった時点で離婚となったのでしょう。事あるごとに不満や要望を何らかの形で伝えていたはずなのですが、そのことに気づかないほどFさんは傲慢だったといえるのです。

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