100パターン以上を制作

アレン氏によると、画像の生成には相応の労力を費やしたという。Midjourneyは入力された文章に応じて画像を生成するため、どのようなことばを組み合わせるかによって出来栄えは大きく異なる。

アレン氏はことばを変えながら100パターン以上のアートを出力した。そこで得られた優れた作品に対し、さらに入念な微調整を繰り返すことで優勝作品を作り上げたという。

最終的に満足できた3パターンに対し、印刷用の高解像度に引き上げる処理を施して出品している。こうして手間暇をかけた3作のうち、1作が最優秀賞を射止めたという経緯だ。

アレン氏は今回の試みについて、「Midjourneyを使い、競争的な方法で声明を出すことを目標とした」と説明している。ここ数カ月で画像生成AIは急速に発展し、驚くべき実力を示すようになった。その力を、AIによる作品とは明かさずに、人間による作品と純粋に比較することで示したかったようだ。

このところ画像生成AIの発達がネットで話題となっているが、ついに人間のアーティストを差し置いて賞を射止めるまでの精度となった。その芸術性をめぐる判断について、さらに議論が活発となりそうだ。

当記事は「ニューズウィーク日本版」(CCCメディアハウス)からの転載記事です。元記事はこちら
【関連記事】
東京随一の"セレブ通り"を走る富裕層が「テスラやレクサス」を選ばないワケ
野球以外の話題がまったくない…大谷翔平の「ストイックすぎるプロ生活」を米国の現地記者が証言する
「元世界チャンプのジムで心も体も激変」聖心女子大卒50代女性が週5の汗だくで手に入れた一生モノの価値
接続詞を「別れ言葉」にしている…「さよなら」という4文字を米国人作家が「最も美しい言葉」と評したワケ
なぜ「未処理のわき毛」がニュースになるのか…欧米のセレブたちが"剃らない自由"を訴えるワケ