60歳で5000万円持っているだけでは84歳で破綻する
ちなみに、「60歳、5000万円、手取り5%で運用、105歳くらいまでもつだろう」と考える「つかい切るプラン」のこの人は、年金収入はいくらで、年間の支出はいくらの予定なのでしょうか。たとえば年金収入が手取りで220万円、運用益が250万円あるから、年間の支出が500万円なら大丈夫だろうと思ったら甘いです。最初の5年間に年金収入がないことも加味すると、この人は84歳の時に破綻します。
現在60歳の男性の平均余命が24年ですから、ちょうど84歳になります。この人は現在45歳ですが、仮に現在60歳の人の平均余命と同じ84歳でお亡くなりになれば予定通りですが、もっと長生きしたら、アウトです。配偶者が存命でも、アウトです。
45歳から15年かけて運用能力を身につければ安泰
もちろん、「運用」を大前提にしていますから、「運用がうまくいかなかったら、どうしよう」という不安からは完全には解放されませんが、たとえば「税込みで8%〜10%(税引き後で6.4%~8%)」の運用ができる実力をひとたび身につけてしまえば、それよりも利回りが低い「税込みで6%(税引き後で4.8%)」の運用に対しては、ほとんど不安は起こらなくなります。100%安心ということは無理ですが、「99%大丈夫」くらいの気持ちにはなれます。
そもそも、人生なんて「一寸先は闇」かもしれないのです。天災・疾病・事故など、いつ起こるかわからないので、100%安心などということはどだい、存在しないのです。ですから、「99%大丈夫」なら、もうOKです。
また、働いていたって、「100%解雇されない保証」はないので、どっちみち不安がゼロになることはないわけです。
ですから、たとえば現在45歳の人は、今から15年かけて「税込みで8%〜10%(税引き後で6.4%~8%)」の運用ができる実力を身につけてしまうのです。そして、金融資産を「自分に必要な充分な金額(数千万円~1億円とか2億円)」まで育てておくのです。そうすれば、一生安泰です。