トラブルを最小限に抑える方法とは

ネットオークションは、買い手が商品を手に取って吟味できないために、届いた商品が「期待していた商品と違う」といったトラブルに発展することがある。そこで商品説明には、買い手に不安を抱かせたり、誤解を与えないように必要な情報をもれなく書いておく。商品名やメーカー、型番はもちろん、使用頻度や傷などの品物の状態、修理歴、出品理由等を正直に書く。

色も写真を見ればわかるはず、と省いたり、単に「青」と書いたりせずに、「アクアブルーメタリック」のようにカタログに載っている名称で書くと「予想していた色と違う」というクレームを防ぐことができる。

サイズがわかりにくいものは「奥行き10センチ×幅6センチ」などと書くだけでなく、比較対象物を一緒に撮影すると買い手側の思い込みによるクレームを回避できる。携帯電話がわかりやすい。

多くの買い手の目にとまるように出品日数を最大の7日間に、終了時間を競り合いやすいように土日の夜遅くに設定するといい。趣味性の強い商品の場合は、すぐに欲しいという買い手の欲求も強いので、商品説明をしっかりしたうえで即決価格を付けておけば、多少高くても落札してもらえる可能性がある。相手は即決価格で落札すればすぐに手に入ると思っているので、仕事などの都合により落札後迅速に対応できないのであれば、「連絡は会社から帰宅後になる」「発送作業は週末になる」といった旨を明記する。

オークションの規定にない「マイルール」を押しつけないことも大切だ。

「新規IDでの入札お断り」や「1円単位の入札お断り」といったルールは買い手の意欲を削ぐことになる。自分は仕事の関係ですぐに発送できないと言いながら、落札者には落札後24時間以内の代金の振り込みを求めるといったアンバランスな条件は、身勝手な出品者という印象を与えてしまう。

代金の振込先として用意しておくのは口座保有者の多いゆうちょ銀行、振込手数料が安いジャパンネット銀行かイーバンク銀行などのネット銀行が基本。加えて都市部では利用者が多い都市銀行があれば十分だ。

配送は配達記録が残る宅配便が安心だ。梱包も厳重にしよう。そうなると送料が高くなるので、落札者側が送料を負担する場合は、事前に東京や大阪といった発送地域と「宅配便利用では80サイズになる」といったことを書いておくといい。ただ、少額商品で、落札者が送料の安い普通郵便やメール便を望んでいるときは、不着の可能性があることを納得してもらうことが肝心。そのうえで念のため投函したポストの場所や日時なども記録しておこう。

無事に商品が届けば、落札者から好評価がつくはず。もしトラブルになって、落札者が悪い評価とともにコメント欄に罵詈雑言を書いてきても、冷静に丁寧な言葉遣いで反論するようにしよう。挑発に乗って非難の応酬をしてしまうと、次回出品するとき、「キレやすい人」という印象を与えてしまう。もしも泥沼状態に陥ってしまったら、改めてIDを取得するという手もある。

出品者の立場でも詐欺にあう可能性はある。「欠陥商品を返品するので返金してほしい」と言われ、先に返金したところ商品が戻らないといったケースが想定できる。詐欺にあったらオークション会社に連絡するとともに、警察に被害届を出す。警察は以前よりは柔軟に対処してくれるようになったが早期解決は期待できないので、リスクがあることを十分に理解したうえでオークションを利用しよう。

※すべて雑誌掲載当時

(構成=山本信幸)