広島・長崎に落とされた核兵器の被害とはどんなものだったのか。被爆体験証言者を取材してきたジャーナリストの宮崎園子さんは「被爆者の岡田恵美子さんは、生涯にわたって、当時の光景を語り続けていた。それは、同じような被害を絶対に繰り返してはいけない、という強い決意があったからだろう」という――。

※本稿は、宮崎園子『「個」のひろしま 被爆者岡田恵美子の生涯』(西日本出版社)の一部を再編集したものです。

被爆体験の証言活動をする岡田美恵子さん
写真=筆者提供
インドの大学で被爆体験の証言活動をする岡田恵美子さん(2005年)

世界に1万2000発以上…誰にとっても身近な核兵器

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の様子が、毎日毎日、手のひらのスマホに飛び込んでくる。長年、被爆体験証言者を取材してきた私は、これまで広島や長崎の人たちが訴えてきたことはなんだったのだろうか、と虚しくなる。