年金暮らしの両親の預貯金は300万円のみだった

家族構成
母(相談者):75歳
父:80歳
長女:50歳、一人暮らし、会社員

家計状況
収入
母:60万円(年金)
父:180万円(年金)
長女:低賃金(具体額不明)
支出
基本生活費:240万円(年間)
うち、長女への援助:月額1~2万円、時折まとまった額

資産状況
父母:預貯金300万円
持ち家(資産価値不明、築40年以上、ローンなし)

最初、母親は長女のことを「ひきこもり」と表現していました。しかし、実際はひきこもりには該当しないことがわかりました。厚生労働省のサイトではひきこもりについて次のように定義されていますが、この定義に当てはまらないと考えたからです。

「様々な要因の結果として社会的参加(就学、就労、家庭外での交遊など)を回避し、原則的には6カ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態を指す現象概念(他者と交わらない形での外出をしていてもよい)」
「仕事や学校にゆかず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6カ月以上続けて自宅に引きこもっている状態」

長女は短大入学時から一人暮らしを始め、20歳で就職して以降は働きながら自分の生活を成り立たせています。友人などとの交流がないらしいというのは母の見立てであり、同居していないのですから他人との交流がないとは言い切れないでしょう。

ただ、母親の目には、長女の勤め先は名もない企業で稼ぎが少ないことから「一人前」とはいえないと思われること、仕事以外に出かける様子のないことから、「ひきこもりと同じ」と映ってしまうようです。長女に婚姻歴はなく、今後も結婚する様子はなく、今以上の収入を得られるとも思えず、頼る伴侶もいないことが心配のようです。

マグカップを傾ける手元
写真=iStock.com/Spiderstock
※写真はイメージです

その心配を払しょくするためもあって、食材や総菜などを購入しては送ったり、直接届けたりしているようでした。しかし、それが年金暮らしの家計に負担になっているというのです。