対応シミュレーションは理性をぶっ飛ばせ!

前項でも指摘しましたが、警備隊長がシミュレーションする作業を、どうしても理性が止めてしまい、中途半端に終わることが多いのです。中途半端だと、警備隊長の大声が収まらず、次のプロセス、現実的な問題解決を考えるときも、冷静に思考が回らず、結局自分が落ち着けるような案が浮かばない。そうなると、また、警備隊長が未完のシミュレーションをしたくなるため、理性の言う「邪悪妄想」がまた始まってしまいます。

背景のレンガの壁にネオンサイン
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忘れたいのにいつまでも出てくる邪悪で情けない思考は、警備隊長のシミュレーションを理性がきちんとさせてあげないから起きるのです。

こうなりやすいのは、理性が、警備隊長の暴走を恐れるからです。通常、理性は、次の3つの視点で、警備隊長の計画を中断させようとします。

理性の声①「そんな不安、現実には起こらない」

理性は、警備隊長が恐れる事態を「そんなことありえない」と否定します。あったとしても、確率は小さい。無視していい。それよりもっと確率の高い現実的な予測への対策を詰めればいい、と言うでしょう。でも、「もし、あったらどうする」と考える係が警備隊長なのです。不安という感情も、万が一の危険を避けるために、小さい確率でも大きく感じさせます。例えば、コロナにかかって死ぬ確率は、数字的にはかなり小さいですが、私たちのイメージでは、その危険が非常に間近に感じられます。不安はつらいですが、だからこそ、コロナを避ける行動がとれるのです。同じように、怒りも小さい確率の危険に対し、完全に備えたいのです。

理性の声②「どうせ考えても無駄…」

考えても、いい案が思いつかない、無駄だからやめてしまおうという理性の声。確かに敵の攻撃にすべて対応できる完全な作戦を作れればいいのですが、現実的には難しい。だからと言って「考えない」というのは、まったくリスクに備えないことになる。ですから、考えることが重要なのです。考え続けているうちに、時間が経って脅威が収まってくる。それでいいのです。