職場で一番苦手な同僚から電話がかかってきた
例えば、こんな経験はないでしょうか。
電話がかかってきたので相手先を確認してみると、なんと職場で一番苦手な同僚からでした。とたんに嫌な気分になり、その嫌悪感は応対する声のトーンで相手先にも伝わってしまいます。すると相手も不機嫌になり、双方で不機嫌を募らせる結果となってしまいました。
または、仕事のストレスに耐えかねたある晩、ワインのボトルを開けてしまったとしましょう。一杯、また一杯と飲み進めていくうちにもっと欲しくなってしまい、気がつくとワインボトルは空に──。結果として、翌朝には猛烈な二日酔いに苦しむことになってしまいました。
いずれの場合も、無意識のうちに感情が表出し、その感情に突き動かされるままに行動した先には、望ましくない結果が待ち受けていました。
この感情の表出にうまく対処できるスキルを磨いて、行動をより望ましい結果につなげることこそが、セルフマネジメントの第一歩です。
感情的な反応にはパターンがある
自発的に、そして無秩序に湧き出る感情に、わたしたちは翻弄されがちです。しかし、実は、感情的な反応にはパターンがあるのです。
自分の内面から湧き上がってくる感情を、どのようにコントロールすればいいのか? ――それにはまず、このパターンを理解することが重要です。そうすることで、徐々に自分の内面で何が起こっているのかを把握できるようになります。そして、自分の内面を理解することで、行動の選択肢を広げ、自分にとって新たな価値を創造しないことに対してエネルギーの無駄遣いをしなくても済むようになります。
では、感情的な反応がどのように展開していくのかを具体的に見ていきましょう。
まず、何かが起きます。すると、それに対してあなたが抱くリアクションは、快、不快、またはそのどちらでもないかです。快く感じた場合はもっと欲しいと思いますし、不快に感じた場合はそれを拒絶したり、遠ざけようとします。