SNSの主役である「Z世代」はどんな価値観を持っているのか。新刊『Z世代に学ぶ超バズテク図鑑』(PHP研究所)の著者で、マーケティングアナリストの原田曜平さんは「おじさん世代とは、生き方も働き方もまるで違う。たとえば『若者は親がウザいはずだ』というのは通用しない」という――。(後編/全2回)
SNSアプリのアイコンが表示されたスマホの画面
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バズる広告には必ず「そう、それ!」が含まれている

Z世代に「面白い」と思ってもらい、バズを生み出してもらえるSNS広告をつくるにはどうすればいいのか。それには、最近の若者がぐっとくるツボ=インサイトをつくことです。

インサイトとは潜在的な消費ニーズといってもいいでしょう。心のなかでモヤモヤとして言語化できていないニーズをつかれたとき、人は「そう、それ!」と膝を打ちます。

あらゆる売れる商品、売れる広告には「そう、それ!」が含まれているのですが、とくにZ世代の若者たちに刺さろうと思うならば、Z世代独特のインサイトを知る必要があります。

ここでは、私の最新著『Z世代に学ぶ超バズテク図鑑』(PHP研究所)でも取り上げた、若者インサイトの例をいくつか紹介します。そのインサイトをうまくつき、バズった広告の例とあわせて見ていきましょう。

Z世代の若者は新しいものに飛びつかない

私たち「おじさん」世代とは、生き方も働き方もまるで違うのがZ世代ですが、価値観も大きく異なります。

いま小4の私の娘は『Z世代に学ぶ超バズテク図鑑』をひと目みて、「今までのパパの本で売れると思ったものはないけど、この本は売れるよ」といいました。厳しい一言ですが、彼ら彼女らにしかわからない、バズのツボがあるのは確かです。

例えば、Z世代の若者には「普遍的価値欲求」というインサイトがあります。普遍的価値=いつの時代でも変わらないものを好む傾向が、Z世代には強くあります。裏を返せば、若者だからといって新しいものに飛びつかないのが、Z世代の特徴です。

なぜ、こんなことが起きているのでしょう。