●親の悩み1:「子供がご飯をさっさと食べない」

仕掛け:一皿にまとめる

食卓というのは実は多くの情報で溢れています。たくさんのお皿の中からどれをどういう順番で食べるかを考えなければならないし、さらには「行儀よく」とか「バランスよく」ということにも気を配らなければならない。家族との会話やテレビの音などがあればなおさらです。

健康的なランチプレート
写真=iStock.com/Kayoko Hayashi
※写真はイメージです

脳に与える刺激(情報)をシンプルにすることで、ダラダラ食べは改善できますよ。例えば、お皿の数を減らしてみる。大きめのお皿1枚に3品ほど並べてワンプレート方式にしてみるのもいい。もちろんテレビは消してくださいね。

また、ここでは「さっさと食べる」ことがメインテーマなので、行儀や栄養バランスについては、さっさと食べられるようになるまで脇に置いておきましょう。

私がかつてリハビリを担当していたある患者さんは、脳に損傷はあるものの、手も動くし、食事をする能力もあるのに、自分から食事をすることができず、介助を受けていました。ところが、食事を一品ずつ出す方式(フルコース形式)に変えたところ、自分で食事ができるようになったのです。親御さんに時間の余裕があるとき、この方法も試してみてください。

●親の悩み2:「子供が整理整頓ができない」

仕掛け:仲間分けゲームをする

机や部屋の片付けというのは、自分が行動しやすいように、自分で環境を整えるという作業です。ですから、一番大切なことは「子供自身に考えさせる」こと。親が決めたルールで片付けをしても、そのルールにぴんと来ていないのでは長続きしませんし、結局散らかったままになります。そもそも、「片付いている」「散らかっている」という概念は、人によって違います。親には散らかっているように見えても、子供にとっては「行動しやすい環境」であることもあります。

そこでまず、「仲間分けゲーム」をしてみましょう。机のそで引き出しの一番上に入っているものを全部出して、それらを3〜4の仲間に分けるのです。大きさや形で分けるのか、紙類や筆記用具類などカテゴリーで分けるのか、親子でしてみると同じ内容物でもまったく違う仲間分けができて楽しいですよ。

次に、その引き出しを3〜4に仕切り、先に分けたものを入れます。100円ショップにあるトレーや家にあるお菓子の箱などを使うと便利です。大きさや形別に入れるのか、カテゴリー別に入れるのか、これは視覚が脳に与える刺激を利用するのです。自分が取り出しやすく、しまいやすい入れ方を工夫することが大事です。

そで引き出しの一番上が終わったら、机の他の引き出しやタンスの引き出し、ロッカーの中なども「仲間分け」してみてください。