④自己PRを盛りすぎた男の悲劇

最後のケースは、転職者側の能力・スキル不足です。好条件のポジションに、内心では「できるかな」と不安を感じつつも、背伸びして入社してしまったケースです。

転職早々に能力不足からお互いがギクシャクし、最悪の場合、上長や社長に、どうなっているんだと問われ、辞めざるをえなくなることがあります。

40代のAさんは、年収1000万円台前半、事業部長候補としての営業部長などの諸条件を約束され転職しました。ですが、入社後すぐに、事業部長としての能力がないことが露見。会社側としては辞めさせるわけにもいかず、課長職位に変えられ、年収も職位に合わせてダウン(800万円)しました。その後、ご本人はその職位には満足できず、1年未満で退職しました。

このようなケースは実は非常に多いです。

採用側の見極め不足が最大の要因ですが、転職者側としても選考中に誇大なプレゼンテーションをしていたことも考えられます。

無理せず、等身大の自分を確認し、それを応募先企業に素直に見せることが大事です。

それで選ばれなかったとすれば、仕切り直しの転職を早々に行う事態を回避できたと思えばよいのです。改めて自己PRを見つめなおしましょう。

転職活動で絶対にやってはいけないこと

ちなみに、仕切り直し転職を繰り返してしまっている人が、次の転職活動で不利になるということを嫌って、短期間で入社・退職をした企業の履歴について、自身の職歴から消去してしまう人がいるようです。

あろうことか、ヘッドハンターや人材エージェントがこうした短期離職をした登録者に対して、その経歴を削除するようアドバイスしているケースもあると聞きますが、こうしたことは絶対にしてはなりません。

明らかな経歴詐称となり、採用内定の取り消しや入社した企業の解雇要件に該当します。後々、取り返しのつかないことになりますから、重々留意してください。