“2人の子”にこだわる夫から離婚を突き付けられる

いちごチェリーさんが嫁いだ先は、代々続く地元の素封家そほうか。夫は跡取りである総領息子だ。そのため、結婚した当初から、いちごチェリーさんには、跡継ぎを産むという使命が課せられており、本人も、それが当たり前だと思っていたという。しかし、結婚後数年で授かった命は、この世に生を受けることはなかった。そこから、夫婦の長い不妊治療が始まったという。

「30代の頃はまだよかったんです。でも、年を重ねるにつれて、身体の負担が大きくなってきた。養子をとるということも視野にいれ、話しあってきましたが、夫はどうしても“2人の子”にこだわっているようでした。なぜ、夫婦で私だけが、こんなにつらい思いをしなければいけないんだろう、と思っている中、夫から追いうちをかけるように『いちごは努力をしていない。今年、結果がでなければ、離婚する』と言われたんです」

家事を手伝わない男性に欲求不満な女性
写真=iStock.com/takasuu
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結果というのは、“着床”のこともあるが、それだけではない。いちごチェリーさんは、ふくよかな体型をしており、医者からも不妊治療のためには減量が必要と言い渡されていた。私の部屋で打っていたインシュリンペンのような注射器も、減量のために処方されたものだったかもしれない。

張り詰めていた神経がプツリときれた瞬間

不妊治療や、夫からのプレッシャーがあまりにもきつくかさなり、気が付けば過食に走ってしまういちごチェリーさんは、食べてしまったあと、どうしても辛くなり、泣いてしまったこともあるという。そんな彼女に、夫は「痩せないのは努力不足。痩せなければ離婚だ」と言い放ったのだ。

もともと夫には、モラハラの気があったとはいうが、それにしても、追い詰められている彼女にとっては、あまりにも辛辣すぎる言葉だったのではないだろうか。彼女の張り詰めていた神経は、ここでプツリときれた。

「それまでは、ホストクラブでは、今日はこれだけ、と使う金額をきめていて、そこから逸脱することはなかった。でも、その頃、たまたま仕事で大阪に行く機会があって、その夜、ホストクラブに行ったんですね。そこは初回だったんですけど、初めて、自分の所持金以上のお金を使ってしまったんです」