発酵性のたんぱく質食材を食べれば一石二鳥

血液は、「肺から取り込んだ酸素」と「腸から取り込んだ栄養」をのせて全身の細胞に運んでいます。もし腸内細菌のバランスが乱れて腸の機能が低下すると、ドロドロとした質の悪い血液が作られてしまいます。細胞は敏感ですから、そういう質の悪い血液が運んできた栄養は拒否します。

すると栄養の受け渡しができず、細胞はエネルギー不足で元気に働けなくなり、体全体の代謝が低下します。しかも届けられずに余った栄養は、細胞の周りにある脂肪に溜め込まれ、肥満をも招いてしまうのです。

こうした理由から、私は様々な書籍や雑誌で「腸活ダイエット」や「便活ダイエット」をおすすめしてきました。腸活で善玉菌を増やして腸内環境を改善することで、血液の質がよくなり、エネルギー効率のよいやせやすい体が手に入るからです。たんぱく質を十分に摂りつつ、腸内環境を良好に保つには、積極的に食物繊維と発酵食品を摂ることが大切です。

食物繊維は善玉菌のエサになるため、たんぱく質で悪玉菌優勢になりがちな腸内環境を整えてくれます。また、腸を刺激してぜんどう運動を促してくれるので、便秘の予防や解消にも有効です。

ただし、摂り方を間違えると便秘を悪化させる場合もあるので、後述する摂り方のコツをしっかり理解してください。また腸内細菌の生態系には、できるだけ多くの細菌が活発であることが理想であり、多様性を保つことが重要です。発酵食品は、菌を元気にして腸内細菌の多様性を維持してくれる腸活に欠かせない食材です。

おすすめは、ヨーグルトや納豆、みそなど発酵性のたんぱく質食材。たんぱく質を摂りながら、腸活も同時にできるのでダイエッターにとって一石二鳥の優秀食材です。

箸で持ち上げた納豆
写真=iStock.com/kuppa_rock
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腸活の効果を最大限に高める「4ステップ」

地球上のほとんどの生物には、自然界の昼夜に適応した「生体リズム」が備わっています。

食事や運動、排泄、睡眠といった人間の営みにも、それぞれに適した時間帯があり、リズムに合わせて生活することが健康の秘訣ひけつです。その中でも、腸活は「朝」が最適。そこで腸活の効果を最大限に高める朝の4ステップをご紹介します。

ひとつ目は、起床後にコップ1杯の水を飲むこと。胃に送られた水分の重みで、寝ている間にお休みしていた腸が刺激され、ぜんどう運動が促されて便通が起こります。

ふたつ目は、決まった時間に朝食を食べること。朝食は、生体リズムを調整する「体内時計」のズレをリセットし、腸の働きに深く関わる自律神経のバランスを整えます。