市場が不安定な時期、投資で気をつけるべきことは何か。経済コラムニストの大江英樹さんは「最近、レバナスで大損してしまったという悲鳴がよく聞こえてきます。レバレッジ型投資信託の落とし穴をよく理解しておく必要があります」という――。
コンピュータ上の株式を取引
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レバナスで大損した人たちの悲鳴

最近、SNSなどでよく取り上げられているのが「レバナスで大損をしてしまった!」という話題です。みなさんの中にもこの「レバナス」という言葉を聞いたことがある人がいるかもしれません。この言葉はどういう意味かというとアメリカの株式市場のひとつであるナスダック(NASDAQ)の株価指数にレバレッジをかけて投資をするタイプの投資信託のことです。レバレッジというのは梃子てこという意味ですが、投資においては少ない金額で大きな成果が出るような仕組みのことを言います。

NASDAQ指数のような株価指数に投資をする場合、指数の値動きに2倍とか3倍といった一定の倍率(レバレッジ倍率)を掛けた値動きとの連動を目指します。NASDAQ指数にはNASDAQ100とNASDAQ総合指数がありますが、投資信託でよく使われる指数は主にNASDAQ100の方です。例えば指数が3%上がった場合は2倍であれば6%上昇しますので、より大きなリターンを得ることができますが、逆に下がる場合も2倍下がりますので、その損失はより大きくなります。