入居後に「紹介したい」と思われることを目指す

家づくりは初回の打ち合わせから竣工まで長い時間を要します。ご縁をいただいてから完成まで長い方であれば2年という方もいらっしゃいます。おつき合いの中で、満足いただけているかどうかの答えは、私を紹介してみようと思っていただけるか否かというところに表れると思っています。オーナー様のご紹介情報をいただけるというのは非常に自分のやりがいでもあり、大切にしていかなきゃいけない部分だと考えております。

なので、入居後もですね、お誕生日であるとか、ご子息が入学されたとか、そういった際には玄関先だけでも顔を出させていただいて、ほんのお気持ちばかりのご挨拶をさせていただいています。そういうことをしていると、何か困ったことがあった場合にご相談に乗っていただけたり、「こういう方がいるんだけどどう? ちょっと営業してみなよ」とご支援いただけたりする機会が増えてくるのではと思います。

大和ハウス工業HS新宿第二展示場店長の酒井研人さん
撮影=今村拓馬
酒井さんが担当するHS新宿第二展示場では、5階建て、4階建て、3階建ての賃貸併用住宅を中心に扱っている

決め台詞は「僕、どうですか」

——よく大きな額になる営業では、商品じゃなくて人を売れ、と言いますよね。

まさにその通りだと思います。ちょっと手前みそになってしまうんですけれども、個人的には商品を売ったり、ものを売ったりしているという感覚はほとんどなくてですね。私にあなたの家づくりをお任せいただけませんか、私を買っていただけませんか、というスタンスで営業をしていると日々思っています。

展示場でもそうです。そこに集まっているおうちは、どこの会社の建物も素敵なんですよ。

なので、建物を見て、ああ、ここの建物が素敵だからここでお話したいな、となるケースはあまりなくてですね。ですから、建物を見に来たんだよっておっしゃるお客様にも、実はここは人を探す場所なんです、と、もう自分から私、言うんです。

なので、お客様のお眼鏡にかなう方に出会えなかったらば、今日の見学は収穫がなかったと思ったほうがいいですよと、あなたの家づくりの担当として私はいかがでしょうか、という意味で、「僕、どうですか」と最初の出会いで聞いちゃいますよね。

——その決め台詞にいたるまでは、どんなお話をされるのですか?

私は、営業担当者としての仕事の上で一番大事なのは、選択肢を提供することだと思っています。なので、お客様に対して、今のご希望やご計画の中で、プロのアドバイスとして、こういう選択肢が、3つ、4つありますよと申し上げる。それぞれのメリット、デメリットをお伝えしながら選択肢の提供をできたことが、お客様の安心や信頼につながっていくというのを何度も経験してきたんです。