SNSを企業PRや求人などに活用する企業が増えている。大京警備保障(新宿区)は2019年より本格的にSNSを活用し、現在では公式TikTokアカウントのフォロワー200万人以上を誇る。同社社長の櫻井大輔さんが、同じようにSNSに目をつけた佐賀県のスーパーの「ファインズたけだ」の社長・竹田智史さんにインタビューした――。

※本稿は、櫻井大輔『なぜ、人と仕事に困っているのにSNSを始めないんですか? 知識ゼロから学ぶ ショート動画生存戦略』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。

動画配信で最多日商が2倍以上になった佐賀のスーパー

【大京警備保障社長・櫻井大輔(以下、櫻)】「日本一面白いスーパー」というキャッチコピーだけあって、店内で社長がいきなりブレイクダンスを始めたり、店内放送やタイムセールでパフォーマンスをしたり、小売店業界では異例の配信ですよね(笑)。動画投稿はいつからスタートしたんですか?

【ファインズたけだ社長・竹田智史(以下、竹)】YouTubeを始めたのは3年前のことです。それまで、SNSどころかホームページでさえまともに整備できていなくて。「スーパーたけだ」「たけだストア」など店名すら間違った情報がネット上に混在している状況でした。

【櫻】じゃあ、最初からデジタルコンテンツに強かったわけじゃないんですね。

【竹】ええ。そもそも、Webの必要性に気付いていなかったんです。きっかけは商工会議所の無料相談です。当時、社長だった母が話を聞いてきて「うちって遅れているらしいわよ」と。

【櫻】ああ、その頃はお母さんが社長だったんですね。

【竹】はい。父が立ち上げたお店なんですが、父が他界してからは母が経営を引き継いでいました。

【櫻】それから長男の竹田社長に引き継がれた。副社長の弟さんは動画でお見かけしています。

【竹】ありがとうございます。ホームページもSNSも、母が言い出し、動いたのは私たち兄弟です。Instagramのリール(※)を2020年9月にスタートし、YouTubeショートが実装されると聞いて短めの動画をつくり始めました。

※リール……最大60秒の縦動画。リールタブを開いて表示する。

【櫻】その動画をTikTokで公開したんですね。

【竹】ええ。過去に投稿した動画からTikTokでも順番にアップして、「店内アナウンスのマイクパフォーマンス」でバズりました。

【櫻】再生回数240万回、すごい数ですよね。