2011年、日本で発生した「3.11」を見て、4日後には約半分の原発を停止し、4カ月後には「脱原発」を決定したドイツ。なぜこのような決断を行ったのか。ドイツのエネルギー最前線を報告する。

「3.11」で発生した福島第一原発事故は、日本から遠く離れたドイツでもただちにマスメディアを通じて報じられた。ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、原発の爆発の瞬間、テレビに釘付けになった。旧東ドイツの大学で理論物理学を学び、その専門家でもあるメルケルにとって、日本の福島で発生した大惨事は他人事ではなかったのだ。

彼女の決定は素早かった。事故発生から4日後には、古い原発7基の停止と、全原発の安全調査を命じたのだ。

(撮影=渡邉 崇)