渋滞のつらさは距離よりも平均速度と通過所要時間

<渋滞回避術その5:混む路線は利用を避ける>

TVや新聞などのメディアが報じるのは、主に渋滞の距離だ。「○○を先頭に渋滞50キロ」と聞けば、地獄絵図が想像される。

しかし現在、自然渋滞の多くは、平均時速25キロ前後で流れる。あまり停止せずにズルズル流れる渋滞なので、精神的ストレスはそれほど大きくない。渋滞50キロなら通過に2時間かかる計算だが、実際に突入してみると、「案外大したことなかったな」と感じるだろう(個人差アリ)。

一方、渋滞距離が10キロでも、平均速度が時速5キロだと、「ほとんど動かない」という感覚になる。通過時間は同じ2時間でも、ストレスは段違いに大きい。渋滞のつらさは距離ではなく、平均速度と通過所要時間で見るべきだ。

今年のGW、渋滞通過所要時間のワースト上位予測を並べてみよう。ここで紹介する渋滞ポイントは、お盆やGW以外の連休でも渋滞する傾向がある。

【首都圏】
1位 5月3日 アクアライン下り 最大3時間25分(渋滞18キロ)
2位 4月29日 アクアライン下り 最大3時間10分(渋滞17キロ)
3位 5月4日 アクアライン下り 最大2時間45分(渋滞15キロ)
4位 4月30日 アクアライン下り 最大2時間5分(渋滞14キロ)
5位 5月1日 中央道上り(小仏トンネル付近) 最大2時間(渋滞30キロ) 
5位 5月3日 中央道下り(相模湖IC付近) 最大2時間(渋滞40キロ)
5位 5月5日 中央道上り(小仏トンネル付近) 最大2時間(渋滞30キロ)

アクアライン下りがワースト上位を占める理由

このように、ベスト4までをアクアライン下りが占め、中央道がそれに続いている。

アクアライン下りがこれほどひどい渋滞になる理由は、路線の構造にある。

まず、アクアトンネル内のサグ効果(※)で自然渋滞が発生。それが浮島JCTまでつながると、悲劇が始まる。

(※)下り坂から上り坂に変わる凹部分で、勾配に気づかず走行する車の速度が自然と低下すること。

浮島JCTでは、首都高の湾岸線西行き、同東行き、川崎線の3方面からクルマが合流する。この3方面合流にすさまじく時間がかかるため、平均時速5キロ前後という、ほとんど動かない渋滞になってしまうのだ。

アクアライン浮島JCTの合流部分は大渋滞になりやすい
筆者撮影
アクアライン浮島JCTの合流部分は大渋滞になりやすい

ふだんの週末はこれほどひどくないが、例年、GWは極端に悪化する。湾岸線葛西付近からアクアライン海ほたるPAまで、6時間以上かかったという記録もある。あまり知られていないが、GWの最重篤渋滞ポイントだ。