高速道路の渋滞に巻き込まれないためにはどうすればいいのか。「渋滞研究家」を名乗る道路交通ジャーナリストの清水草一さんは「重視すべきは渋滞距離ではなく通過所要時間だ。現在、自然渋滞の多くは、平均時速25キロ前後で流れる。一方、アクアラインなど流れの悪い渋滞は、距離は短くてもストレスが大きい」という――。
トンネル内で渋滞している車列
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唯一絶対の渋滞回避術は「時間帯をずらす」

今年のGW、高速道路には例年に近い渋滞が戻ってきそうだ。昨年と一昨年は、新型コロナウイルスの影響で渋滞がほとんど消滅したが、今年はきっちりカムバックしそうなので、首都圏、関西圏在住のドライバーは、それなりの覚悟が必要だ。

ところで、GW中にドライブに出かける場合、渋滞を回避する方法はないのか?

ないことはない。以下、7つの回避術について具体的に説明する。

<回避術その1:時間帯をずらす>

今年は3年ぶりに、NEXCO各社がGWの渋滞予測を発表した。この渋滞予測、おおむね8割の確率で的中している。かなり信用できるので、その予測を見て、渋滞しない時間に走ればいい。これは最もシンプルかつ確実な方法で、「唯一絶対の渋滞回避術」と言ってもいい。

ただ、実行するのは意外と難しい。

渋滞を避けるためには、渋滞が始まる前か、渋滞が収束してから走ることになるが、今年のGWの渋滞ピーク時、5月3日の東名高速下り(大和トンネル付近)を例に取ると、渋滞が始まるのは4時、収束するのは16時と予想されている。

4時からの渋滞にはまらないためには、3時くらい(出発地によって異なる)に出発する必要があるし、16時以降に遅らせれば、その日はほぼ遊べない。

家族全員で午前3時に出発するのはなかなか大変だが、とにかく早く出発して渋滞ポイントを超えてしまえば、もうひどい渋滞はないはずだ。都心部から100キロ以上離れればおおむね問題ないので、その先のSA・PAで、そろって車内で仮眠を取るという方法もある。

高速の渋滞時は並行する一般道も渋滞している

<渋滞回避術その2:一般道を走る>

誰もが一度は考える渋滞回避術だが、高速道路よりも早く到着する可能性は極めて低い。高速道路が渋滞している時は、並行する一般道も渋滞する。しかもその平均速度は、高速道路よりも遅いことがほとんどだ。

高速道路の自然渋滞は、平均して時速25キロ程度で流れる。それに対して、たとえば都内幹線道路の平均速度は時速20キロ程度。高速道路の渋滞時にはもっと低下する。つまり、ほぼ勝ち目はない。

絶対に避けたいのは、「渋滞しているから降りちゃえ!」と、衝動的に一般道へ逃げることだ。計画性のない行動がうまくいくことはまずない。