知りたいのは志望動機ではなく「営業ができるかどうか」

〈代表的な選考時の質問と採用担当者の目的〉

会社を志望する動機

採用担当者が質問する目的:自分を商品にたとえて「私はカネを御社へもたらす人材ですから、雇う価値があります」と営業行為ができるかを見ている。決してあなたが本当に志望している理由を知りたいのではない。ここで「給与がいいからです」と率直に答えてしまう人材は、雇ってもプレゼンや営業の場で本音と建前を使い分けられない人間なので敬遠される。

挫折経験

採用担当者が質問する目的:会社でストレスを受けても乗り越えられるかどうかを見ている。したがって、企業でも実際に発生しそうな「チームワーク上のストレスをはねのけ成長した経験」が求められる。乗り越えられなかった挫折体験や、個人的すぎる体験(例、肉親の死)を書いても通過率は低い。

学生時代に力を入れたこと

採用担当者が質問する目的:企業で自主的に仕事を作り、追加の売上/利益をもたらす人間かを見ている。授業など与えられたものをこなすだけではなく、自分で仕事を増やせる人間が望ましいため、サークル活動や留学、アルバイト経験が好まれやすい。資格の勉強は後述する「企業が求めるエピソードの3要素」に当てはまりにくいため注意。起業経験は実際の仕事に近いので好まれる反面、「すぐに離職して独立してしまうのでは」と危機感を抱かせるため、説明時に「会社を裏切らなそう」な理由付けも必要。

まっさきに分析するべきは採用側の真の意図

このように、設問の意図はすべて「会社でやっていけそうな人間か」をチェックするために存在しています。たとえば「10年後何をしたいですか」といった設問が出たとき「私は将来何がしたい人間なんだろう」と自己分析に時間を割いてもムダです。それよりも「この企業は何を10年後にやりたいこととして提案したら、私が辞めなそうだと判断するだろうか。嘘をつかない範囲で答えを想像して書こう」と考えましょう。もちろん、本当にやりたいことがハッキリしている方は、それを書くべきでしょう。また、10年後の夢に合わせた業界を選んで就活されたほうがよいと思います。

しかし私も含め、99%の就活生は10年後をハッキリと想像する前の段階で就活と対峙たいじするかと思います。ましてや働いたこともないのに、社内でどういう職務を負いたいかなど述べるすべもありません。そういった大多数の方はひとまず、採用側の立場を考え、協調性ある回答を想定していただくだけでも100点です。