転職できても後が大変

また、転職市場には目的意識を強く持ったライバルがたくさんいるので「やりたいことははっきりしないけれど、今の仕事以外の新しいことに挑戦したい」といったキャリアチェンジは、なかなか実を結びません。うまくくぐり抜けて入社できたとしても、目的意識を持った同僚には到底かなわず、活躍の場を見つけられないということになりかねません。

「転職」という選択をすべきか、それとも本業を継続しながらプライベートや副業で欲求を満たすのか。最近はスクールや副業の機会も増えていますし、社会人インターンやカジュアル面談のプラットフォームもありますので、力試しをしながらじっくり検討してみる必要があるでしょう。

スキルを手に入れた“つもり”で苦戦

もう一つ多いのが、「スキルを手に入れた“つもり”」になり、転職で苦戦するケースです。

ネットショッピングが普及し、スマホで「ポチッ」とするだけで、欲しいものが簡単に手に入る、便利な世の中になりました。キャリアの領域でも、最近はオンラインスクールやe-ラーニングのプログラムが充実し、お金を払えばさまざまなスキルがスマホやPCで手軽に学べます。しかし、申し込んだだけで満足してしまい、最初だけかじって最後まで受講しなかったり、情報をインプットしただけで「実践できる」気になってしまう人も多いようです。そして、スキルがきちんと身につかないままで転職活動に挑んで苦戦する人も増えています。

e-ラーニングでプログラミングのコースを受講し、プログラミングの知識は得たものの、実際に手を動かしてシステムを1から構築したことはない。プログラミングスクールで学び、テキストをコピペすればプログラムが書けるが、ゼロの状態から素書きをしたことがない。こうした場合は、いくらプログラミングの知識があっても、スキル不足と判断されて選考で落とされたり、何とか転職できた場合も成果が出せず、挫折してしまうことが多々あります。

どんな分野であれ、スキルを磨くためには泥臭く手足を動かしてアウトプットを出し続け、実践を積み重ねることが欠かせません。特に、新たな分野に挑戦しようとする場合は、相応の努力が必要だということを、忘れないでほしいと思います。

【関連記事】
40代50代の転職に失敗する人が、ことごとく勘違いする「たった1つのポイント」
自分の価値はこの程度か…「年収1600万円→500万円」希望退職に応じた"大企業出身者"の悲哀と落胆
就活面接で「世の中に良いことをしたい」と語る学生を必ず落とす役員の"納得の言い分"
新入社員がどんどん辞めていく会社の「残念な上司」たちに共通する"ある口癖"
1億円以上貯めた「地味な会社員」に直撃して気づいた彼らが共通して"やらないこと"3つ