Twitterは文字数が140字に制限されているため、一つの投稿で発信できる内容は限られます。ですが、投稿にコメントを追加しつなげていくことで長文も投稿可能です。Twitterをブログのように使っているケースもよく見かけます。

日本のTwitterは、オーセンティックな情報を集める場所として、また情報発信ツールとして、Redditやブログのような役割を持っているのかもしれません。

「実名経済」から「偽名経済」へ

少し話が飛びますが、最近のIT業界では「偽名経済(Pseudonymous Economy)」が話題を集めています。

これは暗号資産取引所Coinbaseの元CTO、バラジ・スリニバサン氏が提唱したもので、偽名・ニックネームでも活動でき、お金を稼ぐことができる経済・社会を意味します。

これまでは銀行口座や証券口座の開設、クレジットカードの発行、就職などはすべて実名が前提でした。ですが、最近では例えば暗号資産では、海外の取引所の一部は自由にユーザー名を設定でき、本人確認なしで取引ができます。DAO(自立分散型組織)では、ニックネームで登録し、組織内で働いて対価を得ることができるものもあります。

スリニバサン氏は、Twitterやメディアのインタビューなどで「偽名は分散化と同じくらい大事だ」と主張し、すでにSNSの世界で主流になっていると指摘しています。

蓄積した評価が高ければ、影響力が高くなる

Facebookは実名で登録してもらうことで信頼性を獲得し、ユーザーを増やしていきました。

ただ、今のネット社会においては実名で意見を表明したり活動したりしていくことは、誹謗中傷など一定のリスクを伴います。その点、偽名であればプライベートな生活を切り離せるため、ある程度安心でしょう。

また偽名を使うことで、現実社会に存在する本人とは別の人格をSNS上に作り出すことができます。RedditでもTwitterでも、多くのユーザーが偽名を使っています。しかし、提供するコンテンツの質や頻度など、貢献度により一定の信用や評価が得られれば影響力を持つことは可能であり、お金を稼ぐこともできるのです。

ビットコインの発案者である「サトシナカモト」も偽名と考えられていますが、それでもその存在が今の社会に多大な影響をもたらしたことは間違いありません。