岸田内閣の支持率が高水準をキープしている。何が理由なのか。文筆家の御田寺圭さんは「過去の政権を見て、“お願い”さえすれば国民が頑張ってくれることを知っている。なにもしないことが攻略法だと気づいたのだ」という――。
閣議に臨む岸田文雄首相(中央)=2022年4月5日、首相官邸
写真=時事通信フォト
閣議に臨む岸田文雄首相=2022年4月5日、首相官邸

「岸田政権の実績は?」に答えられるか

発足から半年を経てもなお、岸田内閣の支持率が高水準を維持している。日本経済新聞が3月25日~27日に行った世論調査によれば、内閣支持率は61%だった。支持率は政権発足後、変動はあるものの6割前後で推移している(日本経済新聞「内閣支持、まん延防止解除で復調 感染減鈍くなお警戒」2022年3月29日)。

国内世論では高い支持を集める反面、「岸田政権の主だった実績は?」と聞かれて即座に列挙できる人は少ない。もっともそれは、その人が不勉強だからというわけではなく、実際に目立った実績がないからだ。岸田政権は、政権の柱となるような政策の実行や具体的行動のないまま、徹底したリスクコントロールに徹する、ある意味ではきわめて「保守的」な政権である。数カ月後にひかえた参院選の前に「事」を起こして、無用な不確実性を生み出したくないという思惑もあるのだろう。

社会的に重要な課題について「緊張感をもって注視していく」などと表してなにもしないことこそが政権支持率を高水準で維持するための秘訣だったという「身も蓋もない」真実を、まさかこのような国内外がきわめて困難な状況に陥っている只中で突きつけられることになるとは。

「節電」の呼びかけに集まった批判

岸田政権は、ネット上での評判はすこぶる悪い。「なにもしないことをバリエーション豊かに表現するだけのおじさん」などといった揶揄もすでに多数なされている。3月に発生した電力供給のひっ迫に対しての「節電」の呼びかけでも、多くの批判があった。

ロシアによるウクライナ侵攻など、予期せぬ国際情勢の変化があったとはいえ、世に不確実性が生じればたちまち電力供給がぎりぎりの状況になってしまうのは、ほかでもない岸田政権が「原発再稼働」という大きな政治的決断をひたすら回避しつづけているせいではないか――という声が多く寄せられていた。そうした批判には一理ある。