6.安心感(Feel Safe)のデザイン
原則6:FCでは、質の高い対話が、これからの方向性やステップ、効果的なアクションを明らかにする
最後のデザイン要素は、安心感です。自己との対話をしっかりと行うためには、安心な場が必要です。自らの思いこみを取り去り、正直に「なぜなんだろう」と自らに問いかけ、本質的な想いを確認していくプロセスは、他人に見られたくないものかもしれないからです。自分の弱い面や嫌な面が見られてしまうかもしれないと警戒してしまうと、自我がむくむくと出てきて、「べき論」を語り始めます。だからこそ、ここは他人が自分を攻めたり、揚げ足をとったりしない場なのだという安心感をしっかりと確認することに、大きな価値があるのです。
リラックスした雰囲気、そしてコーヒーとクッキーなどは、この安心な場を演出してくれます。人数に対して部屋が広すぎたり、逆に他のグループの声が大きく聞こえてきたりしていると、落ち着きがなくなります。メンバーの声がしっかりと響き、伝わりやすいことは、安心した場を創る上で重要な要素でしょう。
そしてもちろん、ファシリテーターの醸し出す雰囲気が、何より大事です。ユーモア豊かに、コミュニケーションの緊張感をできるだけ下げていきます。とは言っても、気をつけなければ行けないのは、ぐだぐだの場にならないようにすることです。リラックスした状態と、だらだらした状態は違います。コミュニケーションの緊張感を下げつつも緊張感は保たなければなりません。そのためには、対話のプロセスの全体像を示し、きっちりとタイムキープしていくことも大切です。その上で、全参加者に対して、ある程度の場のコントロール権を渡します。
リラックスして楽しみながらも、全員が「よいアウトプットを出したい」という気持ちをどこかに持っていると、新たな閃きが見つかる可能性が高まります。