退会は改革を促すひとつの意思表示になる

これまでPTAは「全員必ず入る」ことを前提にしてきたため、なかなか変わることができませんでした。どれほど運営方法に問題があっても、泣く人が出ても、会員が減らなかったからです。保護者や教職員が「賛同できなければやめる、または入らない」という選択をすることは、PTAの改革・適正化を促すためにも、大切なことです。

漫画=おぐらなおみ ※『さよなら、理不尽PTA!』より
イラスト=おぐらなおみ 『さよなら、理不尽PTA!』より

退会は、いつでも可能です。希望しないのに役員にされたときでも、集まりに欠席した友人が悪口を言われたときでも、どんなタイミングでもかまいません。会長さんか校長先生、または両方に退会届を出すなどして、退会の意思を伝えましょう。稀に会長が「退会できない」と言うことがありますが、少なくとも校長は、PTAが任意で参加する団体であることを知っていますから、退会を認めざるを得ないはずです。

退会によって子どもに不利益があったときは?

もし「記念品をあげない」「登校班からはずれてもらう」など、子どもへの不利益を提示されたときは、なるべく書面やメールで、校長先生&会長とやりとりするのがいいでしょう。自分も「仕方なく我慢してやっている」という会長や役員さんは、感情的に非会員を敵視してしまうことがありますが、PTAという団体が学校施設を優先的に使うことを認めている校長は、非会員家庭の子どもの排除を止めなければならない立場です。大体の場合、校長先生が会長や役員さんにその旨を説明すれば、子どもへの不利益は起きないはずです。

ただ、うまくいかないこともあります。ときどき、校長まで非会員家庭の子どもの排除を認めてしまうことがあるのです。そのときは教育委員会に相談して、校長先生に話をしてもらう必要がありますが、教育委員会も稀に、校長と同様、非会員家庭の子どもの排除を認めてしまう場合があります(「教育委員会からは指導できない」という言い方をされることが多いのですが)。

こうなるともう、あとは粘り強く話し合うくらいしか、できることはないでしょう。教育委員会の手引きや通知を見せるのもおすすめです。もし、子どもの「いじめ」につながるような場合には、文部科学省に相談してください。