小売店ドン・キホーテは、ネットでは「ヤンキーのたまり場」というイメージで言及されやすい。なぜそうなったのか。ライターの谷頭和希さんは「テレビ番組や人気ロックバンドの楽曲などを通じて、『ドンキの前に溜まったヤンキー』という共通イメージが広がっていった。ただ、それは実状を反映しているとはいえない」という――。(第2回/全2回)

※本稿は、谷頭和希『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』(集英社新書)の一部を再編集したものです。

ドン・キホーテ手稲店
ドン・キホーテ手稲店(写真=RJD/PD-self/Wikimedia Commons

ドンキは都市のなかでどのような存在だったのか

ドンキを語るうえで欠かせないのは、ドンキとその周りにある場所の関係です。ドンキは都市のなかでは異質であるかのように見えるけれども、じつは周辺の都市を非常に敏感に感じ取り反映しているのではないか(ただし、その多様性は、ドンキが企業として利益を追求する過程で自然に生まれたものです)。