競技用スーツのメーカーもできるサポートには“限界”が

また両種目の競技用スーツはミズノがオフィシャルサプライヤー契約を結んでおり、最新のテクノロジーが詰め込まれている。しかし、競技人口が少ないうえに、1着10万円以上もする高額スーツに市場はない。さらにルール改正などもあり、年々進化が求められることになる。コストに見合う収益を確保するのが難しいため、メーカーとしてできるサポートには“限界”があるのだ。

風の抵抗が結果に大きく作用する種目だけにメーカーによる競技用スーツのアシストがなくなると、世界で戦うのは難しくなるだろう。

スキージャンプ
写真=iStock.com/technotr
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スノーボードのハーフパイプやビッグエアも競技者としての人口は多くないが、世界最高峰の「X Games」が大きな盛り上がりを見せるなど、世界中に熱狂的なファンがいる。そして、Doスポーツとして楽しんでいる“競技人口”は国内だけで200万人近くもいる。日本代表と同じウエア(スノーボードはデサントがオフィシャルサプライヤー契約を結んでいる)を着たいというファンも多い。メーカー側も十分にペイできると考えているはずだ。

ウインタースポーツの環境はますます厳しくなる

冬季五輪はノルウェーやスウェーデンなどウインタースポーツが盛んな国にとっては国を挙げてのビッグイベントかもしれない。しかし、世界的に見ればサッカーのワールドカップや夏季五輪ほど熱狂しているわけではない。

夏季であれ冬季であれ、代表選手に選ばれることの“価値”は競技人口の数に比例すると言ってもいい。国の代表として100人中から3人選ばれるのと、10万人中3人では“難易度”が大きく違ってくるからだ。

冬季五輪には競技人口が少なく、五輪中継でない限り、テレビ放映をしても高い視聴率を望むことができない種目が少なくないのが現実だ。加えて、少子化や地球の温暖化が進むなか、ウインタースポーツが置かれた環境はますます厳しくなることが予想される。日本のレベルが落ちないよう国や競技団体は何らかのテコ入れが必要だろう。今回の盛り上がりが、明るい未来につながることを期待したい。

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