プライバシーに関わる失礼な質問には、どう答えればいいか。銀座の高級クラブ「クラブ由美」のオーナー・伊藤由美さんは「そういうときは『で、あなたは?』と聞き返せばいい。聞かれたくないことを聞き返すことで、失礼な質問をかわすことができる」という――。(第3回)

※本稿は、伊藤由美『銀座のママが教えてくれる「会話上手」になれる本』(ワニブックスPLUS新書)の一部を再編集したものです。

手でストップのサインを出す女性
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聞かれたくないことをやたらと聞いてくる人をどうかわすか

誰にでも、できることならあまり話をしたくない、顔を合わせたくないという人がいるものです。やたらと個人的なことを聞いてくる、人のプライバシーに土足で踏み込んでくる。よく言えば好奇心旺盛、悪く言えば“はた迷惑な個人探偵”のような「詮索好き」もそうしたタイプのひとつでしょう。

とくに奥さん同士、ママ友同士のお付き合いなどでよくある光景かもしれませんね。貯金はいくらあるのか。ローンは月々いくらくらいなのか。子供はどの学校を受験するのか。あなたはどこの学校を出たのか。実家は何をやっているのか。旦那さまの出身大学はどこか。どこに勤めていて役職は何か。ボーナスはいくら出たのか――。うんざりしてしまいますよね。

誰にだって答えたくないことはあります。「親しきなかにも礼儀あり」という言葉を教えてあげたくなるようなしつこい詮索屋さんは、傍からどれだけ「無遠慮な人」「面倒くさい人」と思われても、当人にはまったく自覚がないことも多いもの。

私などはストレートな性格ゆえに、こんな状況に遭遇しても「お答えする必要がありますか?」と切り返せると思われがちですが、いえいえ、なかなかそうもいきません。こういうタイプは、こちらが露骨にイヤな顔をしたり無下に拒絶すると、根も葉もないうわさ話を広めたりする可能性もあります。ですからできるだけ穏便に、うまくかわしたいものです。