グーグルのオフィスに必ず置いてあるオモチャがある。レゴブロックだ。ビジネス・ノンフィクションライターの蛯谷敏さんは「『レゴが存在しなければ、グーグルは誕生しなかった』と表現すると大げさかもしれないが、グーグルのサービスのいくつかは、レゴなしには世の中に登場しなかったのかもしれない」という――。

※本稿は、蛯谷敏『レゴ 競争にも模倣にも負けない世界一ブランドの育て方』(ダイヤモンド社)の一部を再編集したものです。

レゴブロックで作られたアヒル
撮影=永川智子
レゴブロックで作られたアヒル

グーグルの原動力になった「レゴブロック」

世界屈指のイノべーション企業として知られるグーグル。

あまり知られていないが、「Google」のロゴに使われている色のうち、赤、青、黄の三原色は、レゴの基本ブロックから着想を得ている。

「レゴは創造力を解放する、すばらしいツールだ」。グーグルの創業者であるセルゲイ・ブリンとラリー・ペイジは、自他ともに認める筋金入りのレゴファンだ。同社を起業したスタンフォード大学の学生時代から、レゴをいじりながら、新しいサービスや事業の構想を練ってきた。

画期的なサービスを次々と生み出し、シリコンバレーの小さなスタートアップから世界企業へ躍進、2015年には持ち株会社アルファベットを頂点とするグループ経営体制に移行した。

自動運転や生命科学なども手がける巨大コングロマリットとなった今でも、社員が常に創造の精神を忘れないよう、世界各地のオフィスにレゴを用意し、レゴを使った社員向けワークショップなどを開いている。

「レゴが存在しなければ、グーグルは誕生しなかった」と表現すると大げさかもしれないが、それでも同社の卓抜したサービスのいくつかは、レゴなしには世の中に登場しなかったのかもしれない。グーグルは2014年、念願のレゴとの提携も果たしている。