今春卒業予定の大学生の就職内定率は59.9%(2011年10月1日時点)で、過去2番目の低さだった。この結果は悲観的に語られがちだが、人材コンサルタントの常見陽平氏は「むしろ、前年同期より上がっていることに注目すべき。震災はあったが、大企業を中心に採用予定数は回復傾向にある」と分析する。

ただし就活現場の厳しさは変わりそうもない。その理由を「数字には表れていない“質的な問題”が隠れているから。世界的な経済環境の変化に伴い、グローバル人材候補生、イノベーター型人材、優秀な理系学生といった高度な人材を求める企業が増えており、選考や採用時にミスマッチが起きている」と常見氏は話す。

(ライヴ・アート=図版作成)