事実上の選考締切になっている「インターン」
昨年、ホワイトアカデミーの塾生が、ある不動産デベロッパーA社の冬インターンに参加し、早期選考を経て内定を得た。
その後、しっかりと対策を講じた複数名の塾生がA社の本選考を受けたところ、ことごとく落選してしまった。早期内定を得た学生と比べ、同じかそれ以上の優秀さだったにもかかわらず、である。
その年の10月、A社の内定者懇親会に行った学生いわく、30名の参加者のうち、20人ほどがインターンの同期であったという。
企業にとって「選考解禁」となる大学4年生の6月からの採用活動は、残った採用枠を埋めたり、内定辞退があった際の調整として扱われる。
3月の広報解禁から就職活動を始めた学生にとっては、非常に狭き門を通過しないといけないことになる。
これにより、通常より少ない内定の椅子を、インターン組が埋めた結果、本来ならば内定を勝ち取れる力を持っていても椅子に座れない学生が増えている。
例えば、中央大学では、大卒後に「無業」「受験準備者」となる人がいる。
経済学部972人のうち、最も多いのは就職者の83.1%だが、その次に多いのは「無業」の7.2%となっている。これは人数にして70人である。
中央大学だけでなく、たとえ東大生であっても大学3年時の3月から就活をするのでは、全滅の可能性がある。これが現在の就職事情なのである。
就活にうまくいく学生とそうでない学生を分けるモノ
現在、就活の成否を分けるのは、学歴ではなく「動き出しのタイミング」の違いである。
希望する企業の内定を勝ち取った学生に話を聞くと、大学1、2年時にインターンに参加していることが多い。彼らはそこで意識の高い学生と知り合い、採用活動や出題傾向、インターンの有無などの情報交換を行っている。
ホワイトアカデミーでも、大学3年時に行われる夏のインターンまでに業界・企業分析を進める。エントリーシートや面接などでアピールできる要素を整え、事実上の選考である秋冬のインターンに挑むのを理想としている。
さらに最近では、逆求人サイトに自分自身のプロフィールを登録して企業側に発信している学生もいる。大学入試でもAO入試という自己推薦形式が取り入れられているように、自分の長所、能力をアピールできるポータルサイトを活用した就活が今後トレンドになっていくと予想される。