入院中に架空請求の被害に遭っていた事実が判明
なんと被害を受けた男性は、病院へ入院中に架空請求の被害に遭っていたというのです。病室には家族・友人・知人がいないため相談しにくい状況だったのではないかとの指摘もありますが、これには少々違和感を覚えます。なぜなら、病院であれば健康状態を気にかける看護師などの医療スタッフもおり、相談しやすい環境だったはずだからです。
そこで考えるべきは、「なぜ相談しづらい環境になっていたか」です。
今、銀行の窓口や街角のATM(現金自動預払機)、コンビニなどでは、詐欺被害が多発しています。そのため警戒も徹底されており、被害を防いだ事例も多くあります。しかし、まさか病院内で詐欺が起こるとは誰も思わず、院内のATMなどへの注意・警戒が手薄だったのではないかと考えています。
この手の架空請求では、被害者に電話をして振り込みを指示しますが、それが容易にできたことが、今回の被害に大きくつながったようにも思えます。もしかするとATMのそばに誰かがいて被害者の男性が携帯電話で話していることを不審に思った人もいるかもしれませんが、まさか病院内で詐欺が発生しているとは思わず、素通りしたのでないでしょうか。
先入観とは恐ろしいものです。
今や、スマホや携帯を持ってどこにでもいけますし、誰もがスマホを持っている時代です。詐欺は必ずしも家の中だけで起こるのではなく、どこの場所でも、起こりうるのです。もちろん、病院内でも詐欺は起こる。二度とこうした多額の被害を生み出さないために、よもやの場所でも詐欺は起きることを心しておく必要があります。
詐欺被害に気づいていない状況では、目の前で起きているトラブルは自分が引き起こしたことだと思い込まされていますので、何とか自己解決しようと考えてしまいがちです。責任感の強い人ほど、この架空請求詐欺でだまされやすいともいえるでしょう。
とはいえ、困ったときには、誰かに相談したい思いにかられるものです。「相談未満」の漏れ聞こえてきた小さな声を拾ってあげることで、被害を防ぐ道が生まれてきます。