原因論と目的論の比較事例1 家事をしない夫

「うちの夫は家事をまったくやってくれない」となげく妻の例。

原因論

家事をしない夫に意識を向けて、「今週も何もしてくれなかった」と指摘して、改善してほしいと忠告する。たまに食器洗いをしても「珍しい。それが続けばいいけど」とか、「家事は食器洗いだけじゃない」と言ってしまう。夫はやる気が湧きにくい。

目的論

家事をしてくれたとき(=「家事をしない」の逆)に意識を向け、やり方が少々まずくても、ちょっとした手伝いレベルのことでも、そのたびに「ありがとう」とか「今日は疲れてたから助かった」と素直な感謝を示す。夫にやる気が湧きやすくなり、「またやろう」と自然に思える。

マグカップを洗う男性の手元
写真=iStock.com/kazuma seki
※写真はイメージです

原因論と目的論の比較事例2 食卓をちらかす子ども

食事のたびにテーブルの上をひっくり返してしまう3歳の子どもとお母さんの例。

原因論

ちらかすたびに「やめなさい」と叱ったり、「自分で片づけなさい」と強く言っていたらかえって反発して、ひどくなった。子どもにやる気が起きていない。

そこで自由にさせたが、まったくやめない。片づけも大変で食事のたびにストレスがたまってしまう。

目的論

外で遊び疲れたときなど、ごくまれに(10回に1回程度)静かに食卓についていること(=「ちらかす」の逆)があった。そこですかさず「◯◯ちゃん、ありがとう。静かに座って食べてくれると、ママもパパもゆっくり美味しく食べられるよ」と伝えるようにした。子どもが静かに食卓につくことが増えていった。

事例2のお子さんの例は、平本式のカウンセリングセミナーに来られた方の実話です。

ご両親が目的論で関わるようになってすぐ、静かに食卓につく回数が5回に1回くらいに増え、数週間もしないうちに食卓をちらかすことはほとんどなくなったと言います。もちろん人それぞれですが、目的論の効果はかなり早く出るのが特徴です。子どもの場合はもっと早く、顕著に、変わることがあるのです。

もう1つ、子どもの例を紹介しましょう。これも平本式で目的論を学ばれた方の体験談です。