売れる営業と売れない営業はどこが違うのか。営業コンサルタントの大塚寿さんは「営業において『これ』しか言わないという決めゼリフを用意しておくといい。私はそのおかげで、驚異的な確率で顧客を開拓することができた」という——。

※本稿は、大塚寿『できる人は、「これ」しか言わない』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

電話をしている人
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5回に1回は受注できた「最初のひと言」

独立直後、オーダーメイド研修を手がける会社を設立するも、顧客がいるわけではありません。研修会社も山ほどありますから、その中で顧客を開拓していくには、いかにキーパーソンに会うことができるかがポイントでした。

当時はまだ電話営業が一般的でしたから、とにかくひたすら企業に電話しまくるわけです。とはいえ、そもそも受付の人が担当者につないでくれるとも限りませんし、キーマンにたどり着けても会ってくれるとも限りません。「じゃあ、資料送っておいてください」「興味があったらこちらから電話します」という断り文句であしらわれてしまうのが関の山。おそらく、100件電話をして3件アポが取れればいい、というのが当時の常識だったと思います。

しかし、私はこの電話営業で受注率19.8%という数字をたたき出しました。つまり、5回に1回は受注できる。会ってくれるのではなく、受注できるのです。これがいかに驚異的な数字かは、新規開拓の営業をしたことがある人ならおわかりいただけると思います。

では、その秘訣は何かというと、電話での最初のひと言にあったのです。

具体的には、電話口に出た人に対し、このように伝えたのです。

「リクルートOBでMBAホルダーの私が御社のケースメソッド研修をオーダーメイドでお作りします」

キーワードはゆっくりと、間を取りながらも一気に言い切るのがコツです。実際、私は何度も何度も練習し、よどみなく言えるようにしていました。