離婚約(りこんやく)する人が増えている。離婚約とは、夫婦で話し合い、期日を決めて離婚しようと交わす約束のこと(離婚約中に関係が改善すれば取り消すことも可能)。離婚約に関する本を執筆し、現在、離婚約中のイメージコンサルタント・のらりくららさんが、離婚約を経て3年前に実際に離婚した女性(48)にインタビューした――。

※本稿は、のらりくらら『離婚約、してみました。』(光文社)の一部を再編集したものです。

離婚届
写真=iStock.com/yuruphoto
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今、女性たちに脚光を浴びる「離婚約」という生き方

離婚約を経て離婚した人、私と同じく現在、離婚約中の人。そんな“お仲間”に話を聞けば迷う心を断ち切るヒントが得られるかもと思い、探してみることに。

「今、離婚約中なんだ」と周りに言うと、意外にも、「私の友達で、くららと同じように夫婦で話し合って数年後に離婚する予定って言ってる人いたよ」と教えてくれたり、「実はウチもそうなの」と告白されたり、「離婚について話し合えるって羨ましい」と過去に揉めた離婚経験者から言われたり。離婚約という言葉は知らなくても、離婚約を実際にしている最中の人や経験者は意外にいて、そんな方々からリアルな話を聞かせてもらうことができました。

【約2年の「離婚約」期間を経て離婚したかずみさん(48歳)の場合】

離婚約の最大のメリットは離婚というゴールが見えて気持ちが楽になったこと

最初にお会いしたのは、現在、離婚して3年目のかずみさん(48歳・仮名)。

高校生の娘さんがひとり。2年間の離婚約の後、離婚。年下でデザイナーの夫とは彼女が38歳のときに知り合ったそう。彼の第一印象は、「仕事ができそうな人」。この年齢で付き合うなら結婚して家庭を作るのが前提であること、子どもの教育方針が一致したこと、さらにこれまで相手の女性関係で苦労してきたから、仕事人間で今までとは真逆のキャラクターだったことも決め手となり、出会って3カ月でスピード結婚。

翌年には女児を出産。子どもと向き合って育児をしたかったかずみさんは一旦、仕事を辞め育児に専念したものの、その3年後、夫がデザイン事務所を立ち上げたタイミングで経理を手伝うことに。娘が私立小学校に入学したため、校内活動やボランティア活動に多くの時間を割くようになり、すっかり娘中心の生活になったころ、夫の異変を感じ始めたと言います。

【かずみ】夫のデザイン会社で経理として働いていたある日、夫から出された不自然な領収書を見つけてしまったんです。しかも驚くような額を高級レストランやホテルに使っていて。これはもう浮気だと確信しました。

【くらら】旦那さんを追及したんですか?

【かずみ】しました。夫は、「ごめんなさい。でも子どもが生まれてから僕の相手をしてくれなかったから」と浮気を認めたんです。私としては、してないと否定して欲しかった。浮気を認められたことで夫が信頼できなくなりました。

【くらら】そう言われて、かずみさんは旦那さんの相手をしていなかったという実感はあったのですか?