天然ゴム相場は、急速な調整局面にある。東京工業品取引所のゴム先限(さきぎり)は今年2月の史上最高値535円から続落。11月11日時点で一時248円まで安値追いとなり下落率が54%に達するとともに、2010年1月以来、約1年11カ月ぶりの安値圏まで後退した。

ゴム相場が急落している原因は、好調だった中国の天然ゴム需要が急速に冷え込んでいる部分が大きい。中国で最も天然ゴム需要の多い分野は自動車向けタイヤであるが、この新車装填用のタイヤ需要が落ち込んでいることが天然ゴム原料の買い付け減少につながっている。タイでは過去50年で最悪の大洪水に見舞われているが、天然ゴム農園には影響が出ていないため今のところ具体的な材料としてマーケットでは意識されていない。