※本稿は、赤羽雄二『マッキンゼー式 人を動かす話し方』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
聞く力の正体はアクティブリスニング
普段接する機会のあるすべての人に関しては、人として恥ずかしくない行動をし、前向きな姿勢で接しておくことです。それによって、いざというとき、支えになってくれる仲間やコミュニティができるかも知れません。
一方で、仕事やプライベートで、初めての人と話しながら、物事を進めなければならないことは日常茶飯事です。この場合は、話す前の仕込みができないので、今持っている力で勝負するしかありません。
その場ではごまかしようがなく、人となり、存在感、聞く力、話のわかりやすさ、説得力で勝負が決まります。最初は大変ですが、慣れてくると度胸がついてそれなりに対応できるようになります。
人となりは、急にどうしようもありません。良く見せようとしたり、隠そうとしたりしても不自然になるだけです。相手ができる人ほど、瞬時に見抜かれます。自分はあくまで自分だと考えて、自然体で臨むのがいいです。
存在感は、初対面の場でもおどおどせず、自信を持って自然体でふるまうことで生まれます。カリスマとかオーラとかを妙に気にする人がいるかも知れませんが、そういうこととは別ですので、気にしなくても大丈夫です。
聞く力は、アクティブリスニングに尽きます。アクティブリスニングというのは、真剣に聞いて、疑問に思ったら質問をしてさらに深掘りしていくことです。
何かを想像しながら聞くとか、こちらから何か言おうと考えながら聞くのではなく、本気で、誠心誠意、耳を傾けます。相手の本当の気持ちがよりよく理解でき、落としどころも見えてくるかも知れません。
話のわかりやすさは、こちらが伝えたいことを箇条書きでまとめておけば大丈夫です。自信がないと、ついだらだらと話し続けてしまいがちですが、逆効果です。できるだけ短く言い切りましょう。
説得力は、伝えたいこと・お願いしたいことが相手にとってどのくらい大切に感じられるか、自分の私心のない思いがどのくらい強いかによって高まります。